2005 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本外交の再出発とアジア--終戦直後から日本外交の三原則の表明まで--
Project/Area Number |
16730090
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
楊 志輝 早稲田大学, 政治経済学術院, 講師 (60367141)
|
Keywords | 外交史・国際関係史 / 東アジア |
Research Abstract |
まず第一に、戦後日本のアジア外交に関する研究論著・新聞報道資料の収集・整理に努め、その中の一部について検討を加え研究ノートを作成した。 第二に、公開された外交資料の調査・収集を行った。2005年8月27日から9月12日にかけて、戦後の日本と台湾の中華民国政府との関係を対象に、主に中華民国政府側の対日政策に関する資料を調査し、収集した。中央研究院近代史研究所には、「外交部保存之逾期档案目録」が置かれており、これは中華民国政府外交部によって公開された档案目録である。また、国史館には、近年移管された外交部档案があり、2325巻におよぶ文書の内容は、多岐にわたる。今回の調査では主に、以下の3つを中心に資料収集を行った。(1)対日講和の成立過程における国府の対応(2)対日戦争賠償問題をめぐる国民政府の対応(3)アジア・アフリカ会議をめぐる国府の対応。また、国民党本部で、中国国民党中央委員会党史委員会が編纂した『中華民国重要史料初編:第二編』、『同史料第七編』および中華民国外交問題研究会編纂『金山和約與中日和約的関係』を入手した。 第三に、アジア政経学会、日本国際政治学会、中国社会科学研究会など各種学会や研究会に参加し最新の研究成果を吸収した。2006年3月28日、早稲田大学東アジア研究所と笹川平和財団の共同開催の「日中若手歴史研究者会議 国境を越える歴史認識のために」国際シンポジウムにて、「戦争賠償・戦後補償問題」というテーマで、戦後日本がアジア諸国に対してとった戦争賠償政策や日中国交正常化過程における賠償問題の処理および今日の戦後補償問題について研究報告を行う予定である。同タイトルの研究論文は、2006年5月東京大学出版会から出版される『日中関係史の視点-国境を越える歴史認識のために』(仮題)に掲載される。
|