2005 Fiscal Year Annual Research Report
月次と四半期の系列を用いたDI型・CI型景気指数の開発
Project/Area Number |
16730113
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村澤 康友 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (00314287)
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Keywords | 景気指数 / 月次GDP |
Research Abstract |
実質GDP(国内総生産)はマクロの経済活動水準を測る代表的な経済指標であり,多くの国・地域が年次または四半期ベースで推計値を公表している.しかしリアルタイムの景気判断に年次や四半期の系列は不便である.そのため速報性の高い月次の景気指標を合成した景気指数に注目する場合が多い.日本では内閣府が作成する景気動向指数のDI(ディフュージョン・インデックス)とCI(コンポジット・インデックス)が有名である. ただし景気指数と実質GDPの動きは大きく異なっており,景気指数が表す「景気」の解釈には注意を要する.そもそも生産量・労働時間・販売額といった意味の異なる経済変数を適当に合成した指数は経済変数として意味をもたない.我々が「景気」と呼ぶものを明確に定義し,それを踏まえて景気指数を作成する必要がある. 月次実質GDPは経済変数として意味が明確であり,かつ速報性が高くリアルタイムの景気判断にも役立つので,推計値を公表する国や機関が増えている.日本でも日本経済研究センターとニッセイ基礎研究所が1999年より独自の推計値を公表している.ただしそれらは単純な回帰分析や補間法に基づいており,推計精度に改善の余地がある. 本研究では時系列分析に某づく月次実質GDPの推計方法を提案する.月次実質GDPを直接推計することもできるが,膨大な統計情報を効率的に利用するためには国内総生産(GDP)・国内総所得(GDI)・国内総支出(GDE)の各構成項目を推計し,三面等価(生産=分配=支出)の原則に基づいてそれらを統合するのが望ましい.その場合は各構成項目の推計に本研究の手法を応用できる.
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Research Products
(1 results)