2004 Fiscal Year Annual Research Report
労働市場における世代間対立-OLGモデルを用いて-
Project/Area Number |
16730116
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
李 永俊 弘前大学, 人文学部, 助教授 (10361007)
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Keywords | 若年失業 / 高齢者雇用問題 / 世代間対立 / OLGモデル |
Research Abstract |
本研究は、労働市場に存在する世代間の対立を、経済モデルを用いて動学的に描くことを目標としている。若年層と中高年層との間には年金等を中心とした生涯所得などにおける世代間対立構造が存在するということが、大きく問題視されてきた。しかし、労働市場における雇用の問題においては、世代間の対立構造を用いた研究例は数少ない。そこで、本研究では雇用市場における世代間対立構造を経済モデル化することで、若年労働市場における雇用問題の発生理由に着目し、若年労働市場の雇用環境改善策を模索している。 今年度における研究は次の三つの課題を中心に行った。 1)モデル・ビルディングのための基礎研究 第一段階として、労働市場における世代間対立構造を経済モデル化するための基礎研究である。そのために、『Introduction to Dynamic Macroeconomic Theory - An Overlapping Generations Approach』(G.T.McCandless and N.Wallace)などの基礎文献を中心に研究を進めた。 2)若年労働市場の雇用問題に対する再検討 モデルビルディングと同時に進めてきたのは、若年労働市場の課題を把握することであった。若年層の雇用問題に関しては、その発生原因などにおいて、多くの見解が存在する。その背景にどのような経済学的背景があるのかを文献研究を中心に行った。 3)既存モデルの妥当性の検証作業 もう一つの作業として、昨年発表した「若年労働市場における解雇費用の影響」(李,2004)のモデルの再検証作業であった。この作業は、国内外の専門家から、モデルの改善方向に関する意見を収集することであった。2回の出張を通して一定の進展はあったと思われる。 今年度は以上のように研究を進めてきた。来年度以降においては、今年度の研究成果を基にモデルのビルディングに専念するとともに、最終年度における実証分析の基礎データ作成などを行いたいと思う。
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Research Products
(3 results)