2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンエネルギーの市場実験と温暖化防止政策への適用
Project/Area Number |
16730138
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
栗山 浩一 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教授 (50261334)
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Keywords | 地球温暖化 / グリーン電力 / 環境評価 / 実験経済学 / アンケート調査 / 環境経済学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グリーンエネルギーに対する消費者の選好を実験経済学と環境評価の二つの観点から評価し、グリーンエネルギー料金制度によってCO2排出量がどれだけ抑制されるのかを検討することで、温暖化対策への政策提言を示すことである。本年度は、小規模なアンケート調査と経済実験の予備調査を実施した。アンケート調査では、インターネットを用いて環境意識と環境行動の関係についてデータを収集した。また、評価対象の認識、意思決定、行動の一連の経済活動をモデル化し、統計分析を行った。経済実験では、一般市民の被験者を集めて、環境保全のための支払い行動を観察した。さらに、アンケート調査と経済実験を比較し、アンケート上での仮想的な支払い行動と、経済実験における実際の支払い行動との違いについて検討した。 また、本年度においては、環境意識と経済行動の関係を経済理論を用いてモデル化する作業を行った。一般に、環境問題に対しては、多くの人が高い関心を持っているにも関わらず、実際の経済行動では環境保全に反する行動をとることが知られている。こうした、環境意識と経済行動の乖離について、理論的観点から考察した。 本年度に実施した小規模のアンケート調査および経済実験の結果を踏まえて、来年度にはグリーンエネルギー料金を対象とした大規模なアンケート調査と経済実験を実施する。また、本年度に構築した理論モデルをもとに、グリーンエネルギー料金制度を理論面から考察する。以上の結果をもとに、温暖化対策への政策提言を行う予定である。
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