2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
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Keywords | 自然災害 / 貧困 |
Research Abstract |
本研究は、巨大リスクの発生が家計の生活水準にいかなる影響を与えたかを分析することを目的としている。そのため、既存データに加えて、新たなデータを収集し、これらのデータをミクロ計量経済学の最新手法を用いて分析することを行ってきた。その一環として、本年度は主に三つの研究を行った、第一には、地震が家計行動に与えた影響を見るために、1995年の阪神・淡路大震災後の家計ミクロデータを分析し、家計のリスク対処行動を明らかにした。その成果の一部をまとめた研究は論文として取りまとめると同時に、スウェーデン外務省付属の研究所からの招聘を受け、シンポジウムで発表した。さらに、中越地震の被災者の生活変化に関して基礎的な情報を収集した。第二には、1997年の通貨危機に直面した韓国家計の行動を分析し、論文として取りまとめると同時に国際学会で発表した。第三には、インド洋津波の被災者の調査を行うため、インドのタミルナド州における被災地域での基本的な情報収集を行った。このような観点に立った、社会的セーフティネットに関する基礎研究は、巨大リスクの発生が迅速かつ大幅な政策の変更を要する「危機的状況」であるため、政策の実践上極めて重要であるといえる。本研究の最終的な目的は、巨大リスクの社会的インパクトを解明し、望ましい事前的・事後的な社会的セーフティネットの構築という政策介入のあり方を、いくつかのケースに焦点を当て、詳細に分析しながら論ずることであり、これらの分析を来年度も継続し、新たな知見を得る予定である。
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Research Products
(2 results)