2005 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー産業における規制改革が地域経済に及ぼした影響についての実証分析
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16730149
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
秋山 修一 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (60347177)
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Keywords | エネルギー / 規制改革 / 実証分析 / 電力事業 / ガス事業 / 地域間ネットワーク / 空間均衡モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究課題は、エネルギー分野における規制改革にもとづく地域独占市場に対する新規参入や相互参入が、当該地域内での競争を激化させ、経済厚生を改善させるであろうという直接的な効果だけでなく、地域間ネットワークを通じたエネルギーの「輸出入」による間接的な波及効果が日本全国に及ぼす影響、あるいはそういた影響の地域間格差について、主に電力事業とガス事業を中心として定量的に分析することを目的としている。 本年度は、昨年度に引き続き最終的なシミュレーション分析の結果に対して重大に影響を及ぼすパラメータの導出を試みた。今回は全国を10地域に分けたパネルデータを用いた。なお地域区分については一般電力事業者の供給地域を用い、全国の一般ガス事業者のデータもこれにあわせて集計を行なった。また推定期間については2000年から2003年までの4年間である。これにより需要価格弾力性については電力が-0.22、ガスが-0.70であるなどの結果が得られた。ただし、この結果については地域的な差異などを含めてより詳細に吟味する必要がある。そこで昨年度と同様の時系列データを用いた推定も試みているが、現在のところ満足できる結果は得られておらず、今後の課題と考えられる。 最終年次である来年度の研究課題は以下のとおりである。1、上記の問題を克服する、2、推定によって得られたパラメータを用い、電力の全国的な連系ネットワークを通じた地域間波及効果を包括的に把握することができる「エネルギー空間均衡モデル」を構築する、3、今後予想される規制改革に関する政策シミュレーション分析を行なう。
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