2004 Fiscal Year Annual Research Report
外航定期船産業における海運同盟及びグローバル・アライアンスの効率性評価と政策示唆
Project/Area Number |
16730155
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 秀和 関西学院大学, 商学部, 講師 (30368451)
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Keywords | 外航定期船産業 / 荷主行動 / 物流施設 / サービス水準 / 運営効率性 / 離散選択モデル |
Research Abstract |
外航定期船産業の運営効率に影響を与える貨物輸送需要は、単に船社の航路メニューや寄港頻度といった自身のサービス水準だけでなく、寄港港湾のサービス水準やその効率性、また荷主企業の立地や国内二次輸送サービス、さらに利用する物流施設の立地や積荷費用など、様々な要因に影響される。そこで本年度は、日本の2地域(西日本および北関東)を対象に、港湾および船社のサービス水準や施設規模、物流施設の利用費用、さらに荷主企業の立地やその生産規模、加えて貿易相手国の経済変数をも内生化した離散選択モデルを構築し、荷主行動を計量経済学的に実証分析した。 その結果、西日本地域における港湾間競争の構造、具体的には神戸・大阪両港は互いに競争しているだけでなく、地理的に近い名古屋港と、また部分的に九州北部港(北九州・博多港)と貨物を奪い合う状況を確認した。さらに、北関東地域を対象とした実証分析では、荷主の利用港湾と物流施設の同時選択モデルを構築することで、物流施設の所有形態やその利用費用によって、荷主は弾力的に利用港湾・物流施設を変え、港湾と物流施設が一体となって、他の港湾と物流施設と競争している状況を確認した。船社サービス水準に対する荷主行動に着目すると、荷主は利用港湾の寄港船舶数(負の選択効果)よりも寄港航路や寄港船舶総積載重量に影響(正の選択効果)されて港湾選択することが明らかとなり、近年の船型大型化や複数航路の統合に対する荷主追求行動を確認した。 本年度は、こうした荷主行動分析と並行して、船社の運営効率性を評価・分析するためのデータ・ベースの構築、および予備的な統計分析を進めた。次年度は、構築したデータ・ベースを用いた実証分析として、数理計画法のひとつの手法であるDEA (Data Envelopment Analysis)手法や計量経済学的な手法を用いて、各船社あるいは船社グループの運営効率性評価を行う。
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Research Products
(2 results)