2004 Fiscal Year Annual Research Report
顧客主導型多品種少量生産-セル生産の基本構成設計に関する研究
Project/Area Number |
16730185
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
殷 勇 山形大学, 人文学部, 助教授 (50344776)
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Keywords | セル生産 / 生産管理 / Cellular Manufacturing / Cell formation / Similarity coefficient / Genetic Algorithm |
Research Abstract |
データマイニング(Data Mining:DM)及び知識発見(Knowledge Discovery in Database:KDD)の手法であるクラスタ分析法を使い、生産セルの構成法をレビューし、新しい手法を提案する。 クラスタ分析を行うために、類似係数を用いる。すなわち、機械設備の使用の類似性または部品の製造工程の類似性に着目して、機械設備または部品をそれぞれグループ化するための類似係数を用いたセル構成問題に関する研究である。 これまで(1972年-2002年)の類似係数に関する先行研究論文について詳細に調査している。160編以上の先行研究論文がレピューされており、この領域の先行研究をほぼ網羅している。この意味でこの章はサーベイ研究としても価値があると判断できる。さらに、この詳細レピューに基づいて、これまで提案されてきた多くの類似係数をその特徴により類型化し、類似係数分類のフレームワークを提案している。この提案された分類のフレームワークは新規に類似係数の考案する際に有益なガイドラインとなる。また、過去約30年にわたり公表された研究論文160編以上を収録した論文リストは貴重な資料でもある。最後に、いくつかの類似係数を取り上げ、その問題点を指摘している。具体的には、従来の類似係数では機械設備間の類似度を正確に数量化できない、したがって、従来の類似係数に基づいたセル構成の最適性ないし構成結果の良否の判定が困難である、さらに現実に存在する大規模問題に対して最終のセル構成を得るまでに膨大な計算回数や計算時間を要する、など改良すべき点を指摘して、平成17年度で展開している研究の意義を明らかにしている。 次の研究では、既存の先行研究では考慮されていなかった2つの生産要素、すなわち部品の加工順序と機械使用ルートの代替性、を同時に取り扱っている。セル生産システム内での部品の移動が最小となるような最適セル構成問題を提示し、これを非線形混合整数計画モデルとして定式化している。この種の数理計画問題は現実的に解く(つまり、最適解を得ること)が困難な問題であることが証明されており、従ってこの2つの生産要素を同時に考慮した新しい機械設備間類似係数を提案し、2段階から成るセル構成の発見的方法を提案している。
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