2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730187
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
三崎 秀央 福島大学, 経済経営学類, 助教授 (30312763)
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Keywords | 組織的公正 / 戦略 / 人的資源管理 |
Research Abstract |
当該年度の研究計画は、1知識創造、イノベーション、人的資源管理、といった分野に関する文献研究、2事例研究、を中心に行うとしていた。 1について述べると、戦略、組織、人的資源管理といった領域の研究は、それぞれが独自の発展を見せており、必ずしも有機的に結びついて異なことが明らかとなった。特に、戦略論において、構想の戦略論と呼ばれる領域における知見は、人的資源管理上、最も重要な要素となりうると思われる。そこで、我々が従来より進めてきた組織行動論における組織的公正理論の枠組みを拡大し、戦略的な要素を取り込んだ分析枠組みを構築することとなった。 次に、2について報告する。今年度の調査としては、数社に対するインタビュー調査に加えて、兵庫県経営者協会と連合兵庫の協力の下、大量サンプルによるアンケート調査を実施した。年度末に集計したこともあり、現在、分析過程にあるために、詳細な結果を示すことはできないが、戦略やビジョンの提示と、それらに基づく組織運営が、従業員の公平性の知覚に対して強い影響を与えることが示された。 従来の人的資源間理論もしくは組織行動論では、人事管理上適用される制度に重点をおいた分析を実施し、制度の有効性や適切な運用について言及してきた。しかし、今回の調査では、制度そのものや運用だけではなく、会社の提示する戦略やビジョンの価値観にあった組織運営が重要であることが示されたのである。この点で、当該領域における新しい発見を導き出す可能性が示されたと考えられる。
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