2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織間協働過程におけるパワーと信頼の構造に関する実証研究
Project/Area Number |
16730196
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福原 康司 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (60337441)
|
Keywords | ネットワーク組織 / 組織間関係 / 境界連結者 / パワー / 信頼 / リーダーシップ / 経営組織論 / 経営学 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、検証しようとするモデルの彫琢と質問紙の開発を主に行った。具体的には、下記のような研究活動に取り組んだ。 1)モデルの彫琢 本研究では、企業と企業の境界を連結する行為主体の対人的なパワー・ベースおよび信頼と、単一企業や企業集団のようなマクロレベルの信頼およびパワーとの連動過程を部分的に検証しようと企図している。しかしながら、信頼とパワーなる構成概念は、各々個別の研究蓄積は存在するが、それらを止揚しようとする試みについて実証レベルは然り、理論研究においても極めて脆弱であると言わざるを得ない。したがって、社会学の領域で議論されてきた上記2つの構成概念の文献レビューを入念に行い、それらを経営現象の領域に落とし込むためのモデルを開発するために文献研究を行った。そして、各種研究会で研究枠組みについて報告し、それぞれ専門領域の研究者から様々な意見をもらい、適宜モデルを修正してより精緻なモデル構築へと収斂させる研究活動に従事した。 2)質問紙の開発 対人的なパワーや信頼に関する実証研究は、社会心理学や認知社会学の領域でそれなりの研究蓄積がある。しかしそれらの実証研究は、パワーや信頼なる用語が対人的な影響力として機微をうがつ構成概念であるが故に、尺度の妥当性や信頼性について再考する研究が散見される。ましてや、本研究で検証しようとしている第三者信頼(メゾレベル信頼)やマクロレベルの信頼やパワーについては、主に社会学で理論研究の域を出ていない研究領域であり、実証研究となると尺度の妥当性や信頼性は探索的に行わざるを得ない。したがって、ミクロレベルのパワーと信頼は先行研究に準じ、マクロレベルのそれらは新たに尺度を開発した。そして、Webアンケートを実施するためにCGIの制作を行った。
|