企業倒産回避のためのターンアラウンド戦略の有効活用による事業再生および再活性化

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16730199
• Research Institution: Senshu University
• Principal Investigator: 大柳 康司 専修大学, 経営学部, 助教授 (30365845)
• Keywords: ターンアラウンド / 事業再生 / 健全度 / 戦略評価 / ニューラルネットワーク / 共分散構造分析 / 縮小線戦略 / 復帰戦略

Research Abstract

本年度は、主として企業に対するアンケート調査の質問項目の検討を行った。昨今、ケーススタディを含め、さまざまなターンアラウンドに関する著書・研究成果が発表されているため、これらも加味して、質問項目を検討した。質問項目の検討と並行して、分析方法に関して、データマイニングの手法の検討も行った。
本年度実施する予定だったアンケート調査であるが、WEBアンケートの手法を採用し、より詳細なデータを収集する方法をとることとしたが、段階的で、かつ詳細なアンケート設計に時間がかかり、未だ作成途中である。アンケートの実施は、研究の最終年度である来年度に実施する予定である。
アンケート実施項目作成に向けての予備的分析として、有価証券報告書に記載されている公表データを用いた定量的分析も試みたが、データの中に別の要素の影響が入り込んでいるためか、十分満足のいく結果は得られなかった。
これは、財務数値が実際の戦略的意図をそのまま反映したものではなく、別の要因の影響も受けているためと考えられる。資産売却などにより資産の減少をさせたとしても、縮小戦略的な意味合いのものなのか、単に老朽資産を除却しただけなのかが数値だけでは判断しきれない。さらに復帰戦略の効果に関しても、市場動向など他の要因が影響してしまうため、財務データだけでは好ましい結果が得にくいことがわかった。以上のような状況から、本年度は研究成果を発表することができなかった。
来年度は本年度の研究結果をふまえ、財務データを含む公表データを補完できるようなアンケートによるデータの収集を行い、これらのデータを利用して最終年度として、研究をまとめていきたいと考えている。