2004 Fiscal Year Annual Research Report
製品アーキテクチャのモジュール化プロセスの動態要因分析
Project/Area Number |
16730211
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 講師 (20367949)
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Keywords | 製品アーキテクチャ / モジュール化 / 知識統合化 / 能力構築 / サプライヤーシステム / 自動車産業 / 製品開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、連続的な定量かつ定性的データに用い、製品アーキテクチャのモジュール化プロセスと組織間関係のダイナミックスについて、その内的・外的動態的要因を明らかにすると共に、企業間のモジュール化のパスの相違や共通点を明らかにすることである。本課題の遂行に当たって,1年目のH16年度には,アンケートの調査分析,インタビュー及び工場調査を行い,これまでの研究成果を補うと共に,新しい次元の発見ができた。また,韓国自動車産業の急成長・高品質の背後にあると思われるモジュール化の取り組みについて追加調査を行った。今年度の成果を纏めると以下のようである。 第1に,自動車部品メーカーに対するアンケート調査分析を通じて,日本の自動車産業のモジュール化のプロセスは構造的に大きな塊を追求するより,機能軸を中心に「機能完結性」「機能一体化・統合化」への動きが明確であることが観察された。 第2に,モジュール開発のため,外部組織との緊密関係構築と活用が重要な要因であり,サプライヤーは知識の統合化のための対応戦略が必要とされる。 第3に,機能一体化・統合化には,材料イノベーションが重要な要素になる。これはモジュール開発において,従来の構造及び機能の見直しだけではなく材料まで及ぶ広範囲での検討が要求される。そのため,材料メーカーやサプライヤーとの緊密な関係構築が重要である。 第4に,韓国自動車産業のモジュール化の動因は社会経済的な条件,特に労使関係と賃金の格差を利用した生産体制であり,それがモジュール外注の動因である。しかし,技術のブラックボックス化のリスクを防ぐ戦略としてグループ内部取引的な性格を持つものであることが分かった。 今後はモジュール化の動因について,製品レベルや企業の(広範)組織能力の面で考察し,その動因を明らかにすると共により精緻化した分析を試みるとともに,成果の発表(H17組織学会)を予定する。
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Research Products
(4 results)