2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブランドのシンボリック・イメージが消費者の購買意思決定プロセスに与える影響
Project/Area Number |
16730222
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
松下 光司 立正大学, 経営学部, 助教授 (40329008)
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Keywords | 消費者行動 / 消費者情報処理 / ブランド |
Research Abstract |
本研究の問題意識は,消費者の購買意思決定プロセスにおいて,ブランドのシンボリック・イメージが果たす役割を理論化することにある。この種の議論は,ブランド・イメージの構築をマーケティング活動の主たる目標とする,ブランドを起点としたマーケティング・コンセプトを認識する必要性までも生じさせるという意味で,マーケティング研究に大きな意義をもたらすものである(Park et al.1986;Aaker 1996;小林1999)。 このような問題意識のもと,これまで,ブランドのシンボリック・イメージが知覚・評価段階に与える影響を経験的に検討してきた(松下2003)。本年度の研究は,それらの研究成果を受け,消費者がブランドに対して知覚するシンボリック・イメージの強度を測定するための尺度を作成することを目的として設定した。この尺度を作成することは,シンボリック・イメージと購買意思決定における各段階との関連,すなわち,考慮集合(購買に際して検討対象となるアイテムの集合)形成との関連,および,情報探索活動との関連を経験的に検討するため重要なステップとなるものである。 具体的には,尺度構成を実施するうえでの必要となる,概念内容の検討,および方法論の検討という2つの観点から研究が進められた。前者は,Laaksonen(1998)や青木(2004)などの検討から,消費者関与がブランドのシンボリック・イメージに関する理論基盤となること,そして多様な関与概念の中でも「対象特定的関与」が有望な方向性であることが明らかにされた。また,尺度構成上の方法論としては,Balasubramanian and Kamakura(1989),Singh et al.(1990),渡辺・野口(1999)などを概観することで,マーケティング研究の分野では取り扱われることが少なかったテスト理論である「項目反応理論」を検討した。
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