2005 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを通じて収集される消費者情報が製品開発活動に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
16730226
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
清水 信年 流通科学大学, 商学部, 助教授 (70330529)
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Keywords | インターネット / 製品開発 / 製品企画 / 消費者情報 / マーケティング |
Research Abstract |
昨年度の研究活動で行なった二次資料の分析、インタビュー調査、既存文献レビューを土台とし、今年度はそれらについての追加的調査・資料収集に加えて理論的考察を行なうための概念モデル構築を目指した作業を行なってきた。 その成果物としての論文執筆は行なわれなかったが、日本商業学会関西部会(4月)において研究報告「意味生成プロセスを内包する消費者参加型製品企画」を行ったのをはじめとして、問題意識を共有する他の研究者との討議などを行い概念モデル構築のためのコンセプト抽出や変数間の関係についての考察を行なった。 現在のところ、当研究に関連の深い分野である「ユーザー・イノベーション研究」における知見に対して、ユーザーにおける消費体験の先取りという点でインターネットを用いた製品企画の可能性と課題という点に絞って問題を考察する方向性を見出している。ユーザー・イノベーション研究においては(あらかじめ)ユーザーが持つニーズ情報の「粘着性」の程度がイノベーション生成場所を規定する重要な概念であると想定しているが、とりわけ消費財においてはユーザー(消費者)がまだ手にしていない製品・技術についてのニーズ情報をあらかじめ保有すると想定するのは問題があり、その意味でインターネットを通じた消費体験の先取りが重要な役割を果たすと考えられるのである。 これらの作業は、来年度に行う予定としている定量的調査を通じての分析につながるものである。
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