2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730227
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
細井 謙一 広島経済大学, 経済学部, 助教授 (30279054)
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Keywords | マーケティング / 営業活動 / 販売活動 / 生産性 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、営業活動の生産性とその規定因を探ろうとする研究代表者の一連の研究の一部である。特に本研究では、営業担当者の持つ、社内外のネットワークが営業活動の生産性に与える影響について研究を進めている。 営業担当者の持つ取引に関連する人的ネットワークは、営業担当者の取りうる行動を規定する。例えば営業担当者の行動への上司によるエンパワメント、スタッフ部門からの事務的サポート、物流部門との人的なつながりなどは、営業担当者の能力や権限を補完する効果を持つ。また、社外の人脈が新規顧客開拓の際に潜在顧客との接触の可能性を左右することもある。ここ数年「マーケティング・パックの商品化」であるとか、そのマーケティング・パックの形成を司る「司令塔としての営業」といったことが、営業改革のキーワードにもなっている。それはまさに営業担当者が取引ネットワークをいかに構築して管理するかという問題に他ならない。こうした人的ネットワークが営業活動の成果に影響を与えると考えるのは、極めて妥当なことであろう。 これまで理論研究とインタビュー調査を中心に研究を進めてきた。また調査協力企業からネットワーク分析に用いる定量データの提供を受け、パイロット調査を始めることができた。しかし定量データでは営業担当者のネットワーク構造の記述は可能でも、なぜ特定のネットワーク構造が生じたのかあるいはそれがどのように機能しているのかということに関しては、説明力に限界があることが分かってきた。そこで少なくとも特定のネットワーク構造と営業活動の生産性との関連を解明すべく、営業活動の生産性を測定する指標の開発を急いでいる。また定量的に記述されたネットワーク構造の意味するものを解釈すべく、インタビュー調査にも力を入れる予定である。
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