2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730229
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保 淳司 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70322790)
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Keywords | 1株当り利益 / 有限合理性 / 会計情報開示 / 情報セットアプローチ |
Research Abstract |
本年度は,研究第一年目であったことから,以下の2つの作業を通じて,研究最終年度である平成17年度に行うと計画している研究のまとめの準備を整えた。 (1)会計情報開示に関する内外の研究動向のサーベイ 情報セットアプローチの台頭に顕著なように,今日の会計情報開示は理論的にも制度的にも重要な転換期にさしかかっている。このため,会計情報開示に関する歴史的展開を追うことによって,投資家に対する情報提供方法の考察に必要な知見を蒐集することが必要であると計画段階で考えられた。 本年度においては,情報セットアプローチと考え方が対極に位置づけられる単一要約数値,とくに1株当り利益を中心にして,当初の計画通りに会計情報開示に関する歴史的展開に関する十分なサーベイが行えた。 (2)有限の合理性を前提にした意思決定に関する最新動向をサーベイする。 有限の合理性を前提にした意思決定に関しては,近年,長足の発展が見られる。本研究では有限の合理性を前提にした会計情報開示を考察の対象としているので,有限の合理性下の意思決定に関する学術的な動向を反映させること,とくに最新の動向を明らかにすることが必要であると計画段階において考えられた。 本年度においては,有限合理性に関する動向をサーベイすると共に,伝統的な意味での知見についても検討することができた。 以上の2つの準備を終えたことによって,本研究の目的である会計利益を十分に機能させることのできる会計情報開示システムの体系を構築することが計画通りに遂行できるものと考えている。
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