2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730236
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Research Institution | Aomori Public College |
Principal Investigator |
松木 智子 青森公立大学, 経営経済学部, 講師 (10347180)
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Keywords | マネジメント・コントロール・システム / 管理不能要因 / 利益責任 / 管理可能性原則 / ミニ・プロフィットセンター制 / 相互依存性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ミニ・プロフィットセンター制が普及(または使用停止)するプロセス明らかにすること、そしてマネジメント・コントロール・システムとしてのミニ・プロフィットセンター制のメカニズムを明らかにすることである。前年度に(1)トップ・マネジメントが同システムを導入する意図を調査したのに続き、本年度は(2)同システムの導入決定後にミニ・プロフィットセンター制のリーダーがどのようにして利益責任という以前よりも大きなプレッシャーを受け入れるのかを研究テーマとした。調査方法として、調査対象企業である住友電工のグループ企業10社のミニ・プロフィットセンター長の経験者全員(約150名)に質問票調査を実施し、管理可能性にたいする彼らの認識を調査した。 調査結果では、市場の需要や競合他社の行動などの外部的な管理不能要因が大きいと回答したリーダーは79.79%、社内の他部門から受ける内部的な影響が大きいと回答したリーダーは41.21%であり、とくに外部要因の影響を強く感じていることが分かった。しかし、こうした管理不能要因があるにもかかわらず、自己に利益責任があると感じているリーダーが多いことが分かった。外部要因の影響があっても自分に利益責任があると答えたリーダーは60.60%であり、他カンパニーとの相互依存関係による影響があっても自己に利益責任があると答えたリーダーは63.64%であった。今回の調査結果から、ミニ・プロフィットセンター制のリーダーは、管理可能性原則の説明とは異なって管理不能要因をもまた自分の責任として受け入れていることが分かった。
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