2005 Fiscal Year Annual Research Report
産業構造の変化が会計測定および報告に及ぼす影響に関する考察
Project/Area Number |
16730238
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
木村 史彦 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (10329691)
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Keywords | 実証会計理論 / 産業構造 / 利益の価値関連性 / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度は,研究期間3年の2年目にあたる.本年度においては,まず財務データの統計的特性について解明すべく研究を進めた.この結果については,「財務データの特性と統計分析上の留意点」『オイコノミカ』第42巻第1号133-152頁でまとめたが,そこでは(1)財務データの時系列的特性を分析すると,2000年前後に実施された一連の会計制度改革(いわゆる会計ビッグバン)の影響を強く受けており,利益・総資産等のデータについてその連続性に断絶があること,(2)会計データに対しては経営者の裁量の影響を相当程度受けていること,特に経営者の損失回避傾向が顕著であることが見出された. さらに,本年度においては,本研究の最終年度である次年度に向けての研究準備を進めた.産業構造と利益測定についての文献サーベイを進めており,特にソフト産業における利益測定が課題であるとの結論を得ている.さらに,グローバルデータの分析のためのCompustatデータベース(グローバル版)を購入し,その利用について習熟するようにした.さらに,コーポレートガバナンスと会計測定・報告の関係についての分析も進めており,以上の成果は来年度報告予定である. 文献サーベイについては,実証会計学ワークショップで,S.P.Kothari, et al.,"Performance matched discretionary accrual measures,"Journal of Accounting and Economics, Vol.39,Iss 1,2005およびR.M.Bowen, et al."Accounting Discretion, Corporate Governance and Firm Performance"Working Paper 2004を取り上げて,その概要を報告した.
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Research Products
(1 results)