2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730259
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松田 光司 久留米大学, 法学部, 助教授 (80284561)
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Keywords | 二次分析 / 逆問題 / 調査データの復元 / 最適化問題 / 欠損値 |
Research Abstract |
本研究の2年度目に当たる平成17年度は、研究実施計画の通り、復元する一般的な手法の開発に焦点を絞って活動した。復元手法の開発は、(1)復元が可能かどうか、(2)単一データセットまで復元が可能がどうか、(3)複数候補データセットまで復元した場合、そのデータセットが2次分析に耐えうるものなのかどうかの3つの判断が必要である。(1)については、復元の定義を「単一データセットまで復元するもの」とするならば、(1)=(2)となる。また、復元できるかどうかは、不確定要素の数とその不確定要素に関する情報量によって決まる。これは、調査データの種類によって不確定要素の現れ方とその不確定要素に関する情報の形態が違うので、一般的な手法は開発できない。しかし、復元の定義を「単一あるいは複数候補データセットまで復元するもの」とするのであれば、不確定要素に関するすべての組合せを求めれば復元可能となる。これに関する一般手法を開発し、ソフトウェアーとして完成させた。 しかし、復元の目的は、2次分析であるから、2次分析できなければ意味がない。つまり(3)の判断が重要である。候補データセットが非常に多くても分析結果が1から4つぐらいならば、問題ない。但し、データセットが多すぎで現在の計算機のメモリの制限、計算速度の限界で計算できなくならないようにしなければならない。そこで、候補データセットを少しでも少なくする手法が必要となる。不確定要素とその不確定要素に関する情報によって連立方程式が組めれば、分岐限定法というアルゴリズムで候補データセットが少なくなることがわかった。また、そのソフトウェアーを完成させた。現在は、不確定要素とその不確定要素に関する情報から効率よく連立方程式にもっていく手法を開発している。 候補データセット群を2次分析する手法は、前年度明らかになった欠損値処理の手法と組合せの分析が進んだ。
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