2005 Fiscal Year Annual Research Report
福祉サービスNPOにおける社会関係資本の測定とその形成メカニズム
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16730276
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
宮垣 元 甲南大学, 文学部, 助教授 (40340905)
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Keywords | NPO(民間非営利組織) / 社会関係資本 / 福祉サービス / 信頼 / 組織間関係 / 組織特性 / 情報 |
Research Abstract |
本研究は、ヒューマンサービスにおける社会関係資本醸成の担い手としてのNPO(民間非営利組織)の実態を、その組織特性の観点から実証的に検討する(また、それと密接な関係がある地域関係やボランティアなどの多様なネットワークにも注目する)。さらに、NPOなどの多様な社会関係が有する資源的側面(社会関係資本=ソーシャル・キャピタル)の有効性と可能性について理論的・実証的な検討も行う。 本年度は、初年度において行った社会関係資本やNPOの理論的研究を踏まえ、ヒューマンサービス(特に福祉サービス)分野におけるNPOの実態についての調査を行った。とりわけ、NPO参加者の意識実態やNPOの組織構造についての実態把握につめとめた。本年度実施の調査は、横浜市を中心とした福祉系NPOの中間支援組織の協力で行った。当該組織は、研究代表者が長期にわたり共同調査・研究を行ってきており、これまでのデータ等の蓄積があるため、今後それらとの比較検討も可能になることが考えられる。また、NPOに関する調査は近年増大しているが、必ずしも包括的な基礎データは整っておらず、本調査はこうした基礎資料としての意義も持つものと考えられる。 具体的には、(1)調査枠組みの検討と決定(調査対象と主たる分析視点、スケジュールなど、調査の基本枠組みの決定)、(2)調査協力団体の調整・決定(調査に協力して頂ける中間支援組織との調整・決定)、(3)調査票の検討・作成、(4)実査(調査票の配布、実施、回収など)を、2005年4月から8月までに行い、9月以降に、(5)分析と調査報告資料の作成を行った。分析結果に基づく、調査論文等は、次年度早々に行う予定である。 また、以上に関連して、NPO関連資料の収集、社会関係資本に関する先行研究の検討についても、昨年度に引き続き実施した。特に、アメリカを中心とした実証的な研究のサーベイ、及び欧米のNPO、ボランティア組織など、社会関係資本の醸成に関連すると考えられる事例についてもその実状を把握する必要があり、これらの点については次年度においても継続的に実施する予定である。
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Research Products
(1 results)