2004 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県内の児童養護施設職員に対する継続的・効果的研修会のあり方に関する研究
Project/Area Number |
16730285
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
本村 真 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30274880)
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Keywords | 児童養護施設 / 継続的研修会 / 専門性教育 / 日常生活場面処遇 / ソリューション・フォーカスト・アプローチ / 職員研修 |
Research Abstract |
本研究においては、申請者が平成14年度、15年度に若手研究(B)の補助金を受けて実施した「沖縄県内の児童養護施設における被虐待児への日常生活場面処遇技術の向上に関する研究」の成果を踏まえ、そこで有効性が明らかとなったソリューション・フォーカスト・アプローチの技法を、心理学に関する基礎知識が不足する傾向がある児童養護施設職員に習得してもらうための、効果的な継続的研修会の実施方法を明らかにしようとするものである。初年度である本年度においては、10月より3月にかけて毎月1回、合計6回の研修会を実施し、のべで計81人の児童養護施設職員が参加した。各研修会後のアンケートの結果から明らかになったことは、1、基礎的なコミュニケーション技法である要約技法やソリューション・フォーカスト・アプローチの技法であるコンプリメントや例外探し、スケーリング・クエスチョンのそれぞれの技法は児童養護施設における実践において有効な場面も多いということ、特に、要約技法とコンプリメントに関しては、実践において適用しやすく効果を実感しやすい。2、ただし、例外探しとスケーリング・クエスチョンに関しては、計3回の研修会を用いて講義と演習(ロールプレイ)を繰り返し、心理士からは実践における適用はある程度可能という感想が得られたが、ケアワーカーからは実践への適用はまだ難しいという感想が示されていた。これらの技法に関する研修方法は課題である。3、継続的に研修会を実施することに関しては、研修内容の理解がより深まるということが示され、その主な理由としては、研修会後の施設現場での実践によって、その実際の効果と共に使用する際の困難性等が明らかになり、それを次回の研修会で補うことができるといった要因があげられた。4、ケアワーカーと心理士と合同で研修会を実施することにより、ケアワーカーの心理学的基礎不足を補うことができ、更に心理士にとっても、ケアワーカーの立場での子ども理解の特徴や関わり方の特徴についての理解が深まるといった、両者へのメリットがあることも指摘されていた。
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