2004 Fiscal Year Annual Research Report
入所型社会福祉施設におけるソーシャルワーク業務の現状と課題
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16730286
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 志子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20315568)
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Keywords | ソーシャルワーク業務 / ソーシャルワーカー / 入所型社会福祉施設 |
Research Abstract |
本研究は、日本学術会議第18期社会福祉・社会保障研究連絡会議の報告における『社会福祉施設におけるソーシャルワークとしての視点の弱さ』の指摘や、筆者が他の研究において感じた『入所型社会福祉施設におけるソーシヤルワーク業務の内容のわかりずらさ』といった問題意識から、入所型社会福祉施設のソーシャルワーカー(生活指導員、生活相談員等)の業務実態調査を行い、それを通じて入所型社会福祉施設のソーシャルワーカー業務の特性や施設種別ごとの相違点、類似点などを明らかにすることを目的としている。平成16年度研究計画では、先行研究資料の収集・分析と現場のソーシャルワーカーからの聞き取り調査を予定していた。 「施設におけるソーシャルワーク」に関する先行研究は1980年代に多く、80年代の研究では「施設の社会化を目指す上でのソーシャルワークの視点の必要性」や「施設ケアにおけるケアワークとソーシャルワークの関係」といった視点から施設におけるソーシャルワークの固有性や専門性を検討しているものが多い。その中で82年に黒川がソーシャルワークの技法をケアワークに導入したケアワークという形でレジデンシャル・ソーシャルワークの専門性を述べている。その後90年代に入ると「レジデンシャル・ソーシャルワーク」というキーワードのもとに、施設におけるソーシャルワークの体系化を試みる研究がみられるようになった。しかし2000年代に入ると先行研究はほとんど見当たらず、このテーマの研究はまだ十分とは言えない状況が明らかとなった。 本年度予定していた各分野の施設で実践しているソーシャルワーカーの方々の聞き取り調査については、調査対象者の選定と調査日の日程調整及び調査内容の検討に時間を要し、年度内は数名の方への聞き取りをするにとどまった。平成17年度は継続して聞き取り調査を実施するとともに、郵送調査の準備及び実施をする予定である。
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