2004 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者を抱える就労家族の視点から介護支援体制を検討する
Project/Area Number |
16730301
|
Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
濱島 淑恵 吉備国際大学, 社会福祉学部, 講師 (30321269)
|
Keywords | 介護サービス / 家族介護 / 介護休業 / 地域福祉 |
Research Abstract |
岡山県下の介護や世話を要する高齢者を抱える家族に対し、社会福祉協議会、居宅介護支援事業所、老人福祉施設等を通して「家族介護及び介護支援制度に対する意識調査」を行った。そこで、介護に関する意識及び自分の生活や精神及び身体状態に関する意識、さらに現在の介護保険や介護休業制度等社会及び職場における介護支援制度、地域での介護サービスに対する意識についてたずねた。 調査を通して、介護や世話が必要になった場合、家族で行うことを希望する者が最も多く、公的な福祉サービスの利用にも肯定的であったが、友人や近所の援助、親戚の援助などのインフォーマルな援助については否定的な傾向が強くみられ、地域のサービス利用についてもあまり積極的ではなかった。なお、この意向については年代別で差がみられ、地域サービスの利用は20代・30代が非常に肯定的であった。さらに、高齢者の介護や世話の必要が生じた際も、今までどおりに、または時間を調整することによって、仕事の継続を希望する者が圧倒的に多く、「仕事を辞める」「仕事を休む」を大きく上回っていた。 また、介護や世話に伴う問題として、疲労感や負担感について男女では女性の方が、また仕事の有無では仕事をしていない者の方が強く感じていること等がわかった。最後に各種介護支援サービスに対する意識としては、男女、仕事の有無ではほとんど有意差がみられず、全体的に施設サービスや在宅サービス等の公的な介護サービスへの評価が高く、その他の地域サービスやインフォーマルな援助、金銭支給、介護休業等介護支援制度への評価は低かった。 これらの結果を岡山県における「家族介護及び介護支援制度に関する意識調査」として調査報告書にまとめた。今後、岡山県下の社会福祉協議会等に配布する予定である。
|