2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境問題解決への合意形成プロセスに関する実験及び事例研究
Project/Area Number |
16730303
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大沼 進 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80301860)
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Keywords | 社会的ジレンマ / 環境問題 / 合意形成 / 公正感 / フリーライダー / 市民参加 / ゲーミング・ゲーム実験 / 手続き的公正 |
Research Abstract |
環境問題の解決策に関する事例調査及び実験研究から、社会的ジレンマ状況における合意形成プロセスの研究を行う。合意形成の中でも、解決策としての制度導入支持へ関連する要因としてのフリーライダー問題と手続き的公正の観点から検討する。本研究では、環境問題のジレンマ解決への合意形成の阻害・促進要因としてのフリーライダーと公正の知見について、ゲーム実験及び事例調査から検討する。 (1)ゲーミング実験 フリーライダーの存在が、制度導入に至る評価への影響を明らかにすることで、いかなる手続きなら合意しやすいか、あるいはフリーライダーが存在すれば結果のみならず手続きも不公平だと評価されて合意しにくいのかなどについて検討する。 (2)事例調査 行政区の境界を越えた流域圏における合意形成の調査を行う。流域圏の合意形成は、共通の公共財を巡り受益・受苦が対立しやすい上、とくに公共事業では、共益だけ享受してコストを負担しないフリーライダーも生じやすい。市民参加も参加のコストがかかるため、少数の市民に負担が集中するケースが多い。つまり、市民参加による決定過程での負担分配の公平性という視点も必要とされる。そこで、参加の負担と手続き評価の側面から市民参加の促進・阻害要因を検討する。 本研究は、3年の研究期間のうち1年目が終了したところであり、まだ十分に成果をまとめるに至っていないが、その初期の実験や調査については、既に国内外の学会にて報告し、その一部は事後出版物などにとりまとめられている。
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