2004 Fiscal Year Annual Research Report
態度研究への複雑系理論の応用:マウス・パラダイムによる動的な態度測定
Project/Area Number |
16730305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森尾 博昭 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (80361559)
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Keywords | 態度 / 動的系理論 / 複雑系 / 態度測定 / 態度変容 / 文化比較 / 社会的判断 / 時系列データ |
Research Abstract |
平成16年度にはまず,当研究において用いる測定手法であるマウス・パラダイムを実行するためのソフトウェアを,日本語版のMicrosoft Windows上で動作するようにローカライズ作業を行った.この時,単なる日本語化にとどまらず,ソフトウェアをより汎用に使えるよう,細かなオプションを指定する機能を追加した.また,測定において得られる膨大な量の時系列データをより効率良く分析するため,コンピュータに保存されたローデータを,一括して表計算ソフト・エクセルへと読み込み,要約データを表形式で出力するマクロ・プログラムを作成した.この要約データは時系列データの特徴を表すものであり,様々な統計パッケージへとエクスポートすることにより,実験の他の変数との関係を検討することができる. 次に予備実験1として,アメリカ人を対象に行われた先行研究の概念的な追試を,日本人を対象にして行った.この実験は,さまざまな道徳的な行動に対して持つ複雑な態度構造を動的に測定することにより,説得行動への反応を予測しようとするものであった.また,予備実験2として,自己に対する態度,およびその他の様々な社会的人物に対する態度をマウス・パラダイムによって測定し,既存の尺度における測定結果と比較検討を行った.これらの研究の成果の一部は日本社会心理学会の大会,およびAnnual Meeting for Society for Personality and Social Psychologyにおいて発表された.最後に,Florida Atlantic UniversityのDr.Nowak及びDr.Vallcherと研究打ち合わせを行い,予備実験の結果の検討,および平成17年度に実施予定の実験計画の立案を行った.この実験では,マウス・パラダイムによる測定を文化比較へと応用するため,日米において実験を実施する予定である.
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