2004 Fiscal Year Annual Research Report
競争的状況下における個人の状況認知および行動選択に関する研究
Project/Area Number |
16730315
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 伸幸 愛知工業大学, 基礎教育センター, 講師 (40367628)
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Keywords | 競争意識 / ライバル / 競争場面における目標志向性 / 勝利志向 / 努力志向 / 関係維持志向 / 競争目標目録(COI) / 競争への誘引価 |
Research Abstract |
競争的な場面における目標志向性を検討する前段階として,競争相手としてライバルを想定し,そのライバルに対する競争意識についての研究結果をまとめ,社会心理学研究(19巻3号)および愛知工業大学研究報告(第39号A,第40号A)に掲載された.これらの研究では,ライバルに勝ちたいとする競争心に加え,ライバルが存在することにより意欲が高まるといった向上心の存在を明らかにした. そして,競争場面における目標志向性を検討するため,競争目標目録(COI)を使用した調査,および大学の試験での競争場面を想定した調査を行い,研究の成果を愛知工業大学研究報告(第40号A)にて報告した.目標志向性として「勝利志向」,「努力志向」,「関係維持志向」を抽出し,非競争的志向(努力志向・関係維持志向)も競争的志向(勝利志向)と同様,競争場面において重視されることを明らかにした.さらに,相手との関係性や能力の差によって重視される目標が異なることや,自己充実的達成動機が努力志向に,競争的達成動機が勝利志向にそれぞれ関連していることが示された.これは,競争場面においては,パーソナリティや目標志向などの個人差要因を考慮に入れた検討が必要であることを意味する. 以上の知見を基に,競争場面であると明示しない場面における目標志向性についての調査を実施している.予備調査の結果をもとに競争的であると認知されやすい場面と認知されにくい場面を設定し,競争への誘引価の高低による目標志向性の変化について,競争心などのパーソナリティ要因との関連もあわせて検討を行っており,成果の一部は日本心理学会および日本社会心理学会にて報告予定である.
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Research Products
(4 results)