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2004 Fiscal Year Annual Research Report

幼児の他者理解の発達における保育者の役割

Research Project

Project/Area Number 16730322
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

園田 菜摘  山形大学, 教育学部, 助教授 (00332544)

Keywords幼稚園経験 / 社会的発達 / 有能感・受容感 / 愛着対象 / 幼児期
Research Abstract

本研究では、他者理解の発達が進む幼児期において、幼稚園での経験の長さの違いが幼児の社会的発達にどのように影響するのかについて、基礎的なデータを収集することとした。調査対象は、幼稚園年中児61名で、そのうちの40名(男児16名、女児24名)は入園したばかりの新入園児、残りの21名(男児10名、女児11名)は年少時から在園している進級児である。まず、子ども自身の自己概念について、桜井・杉原(1985)を参考に、『学習面の有能感』『運動面の有能感』『母親からの受容感』『友達からの受容感』の4つの下位尺度から成る有能感・受容感の測定を行った。また、大日向(1988)の愛着尺度を用いて、様々な場面において愛着対象として母親を選んだ数と幼稚園の保育者を選んだ数をそれぞれカウントした。さらに、柴田(1993)を参考に、幼稚園での子どもの社会性について担任保育者に評定してもらい、『攻撃性』『撤退性』『主導性』『対大人関係』の4つの下位尺度における得点を算出した。
相関分析の結果、子どもの自己概念と幼稚園での社会性との関連については、進級児には有意な関連が見られなかったが、新入園児の場合、『学習面の有能感』と『運動面の有能感』は、どちらもそれぞれ『主導性』と正の相関があることが示された(r=.46,p<01;r=.38,p<.05)。また、『学習面の有能感』は『攻撃性』と正の相関が示され(r=.39,p<.05)、『学習面の有能感』と『仲間からの受容感』はそれぞれ『撤退性』と負の相関があることが示された(r=-.45,p<.01;r=-.43,p<.05)。愛着対象と幼稚園での社会性との関連については、新入園児の場合、愛着対象として母親を選ぶ数が多いほど、幼稚園での『攻撃性』が低いことが示された(r=.40,p<.05)。進級児については、愛着対象として母親を選ぶ数が多いほど、幼稚園での『主導性』が高いことが示された(r=.48,p<.05)。以上の結果から、幼稚園経験の長さは子どもの社会的発達に異なる影響を与える可能性が示されたことから、保育者の働きかけを含めた園での適応を詳細に検討する必要性が示唆される。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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