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2006 Fiscal Year Annual Research Report

4歳前後の幼児期にみられる認知発達の変化が後の記憶へ及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 16730332
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

上原 泉  東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80373059)

Keywords4歳 / 自伝的記憶 / ナラティブ / 語り / 乳幼児健忘 / 認知発達
Research Abstract

今年度の縦断的調査の結果データを処理した上で,最終年度として,縦断的調査の総まとめを行うとともに,併行して実施してきた横断的な調査データの結果と比較検討し十分な考察を行った。成果の一部については,論文に公表し(上原,2006),縦断的調査のまとめを「ナラティブの発達」の視点から,国内の学会で公表した(上原,2007)。今年度,データが加わることにより,次の点が新たに示唆された。第一に,年月の経過によって想起できるイベント数は減る傾向にあるが,環境の変化(学校の学年やクラスが変わる,引越しなど)をきっかけに変化前の出来事の想起量の減り方が大きいこと,第二に,何度も想起し語っているうちに変容するものがあること,第三に,確認できた事例数は少ないが,本来覚えていなかった体験を,体験時よりも時を経た後で見た写真やビデオの影響を受けて報告しているものがあること,である。3ヶ年を通じて得たデータをあわせて分析作業を行いまとめた結果,子どもは2,3歳頃から過去のエピソードを語り始めるが,あくまでその頃の語りは,幼児期初期の「語り」であり,その後の言語能力のみならず,コミュニケーション能力,現実認識,他認知能力の発達を経て,成人のような「ナラティブ」に近づいていくという発達の道筋が示唆された。また,乳幼児健忘という現象は早期からみられ,乳幼児健忘の原因に関わるメカニズムが,もっぱら純粋な「語り」能力(言語能力)にのみ依存するわけではないことが,本年度の調査・分析を通じて,確認することができた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 幼児期のエピソード記憶と記憶の発達 : 縦断的方法と横断的方法による検討2007

    • Author(s)
      上原 泉
    • Journal Title

      お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「誕生がら死までの人間発達科学」平成17/18年度セミナー報告書

      Pages: 13-17

  • [Journal Article] 幼児の同年齢グループ内でのコミュニケーション : 年齢比較2006

    • Author(s)
      上原泉・東洋
    • Journal Title

      発達研究 20巻

      Pages: 5-12

  • [Journal Article] 乳幼児の記憶能力の発達-4歳前後のエピソード記憶と他の認知能力の発達の視点から-2006

    • Author(s)
      上原 泉
    • Journal Title

      心理学評論 49巻・2号

      Pages: 272-286

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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