2004 Fiscal Year Annual Research Report
個別学習指導における援助指針を定める「総合的動機づけ診断」の開発
Project/Area Number |
16730336
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中西 良文 三重大学, 教育学部, 講師 (70351228)
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Keywords | 学習動機づけ / 個別学習指導 / 自伝的記憶 / 学習方略 |
Research Abstract |
本年度は、「総合的動機づけ診断」で用いられる項目作成のための予備的検討を行った。具体的には、「総合的動機づけ診断」で用いられる項目のもととなる予備項目作成のための自由記述調査と、予備項目を用いた質問紙調査による診断項目の統計的検討を行った。 まず項目案作成のために、大学生を対象として、自らの学習動機づけが刺激された授業に関する自伝的記憶を自由記述法によって幅広く集めた。 このような大学生を対象とした自伝的記憶に関する調査の結果や学習動機づけに関する先行研究の結果をもとにして動機づけ要因に関する項目を作成し、質問紙調査をおこなった。 英語もしくは数学の2つの教科について、動機づけ要因および妥当性検討のために学習方略に関する項目に関する質問を行った。動機づけ尺度については、因子分析の結果を参考にして、10下位尺度を予備的に設定した。学習動機づけ下位尺度として設定したものは、興味価値・利用価値・私的獲得価値・公的獲得価値・結果予期・効力予期・感情的要因・身体的要因・社会的環境要因・物理的環境要因であった。 学習方略尺度については、因子分析の結果から7下位尺度を設定した。学習方略下位尺度として設定したものはミクロ理解方略・マクロ理解表略・プランニング方略・他者方略・外的リソース方略・環境整備方略・暗記方略であった。 動機づけと学習方略の関連を検討した結果、利用価値が、望ましい方略全般と関連していた。また、興味価値はミクロ理解方略と関連があったが、プランニング方略と負の関連がみられた。効力予期は他者方略と負の関連があったが、一方で結果予期とは他者方略と強く関連していた。感情的要因は、ミクロ理解方略・プランニング方略・他者方略・環境整備方略と弱く関連し、身体的要因は、マクロ理解方略・プランニング方略と関連し、社会的環境要因は他者方略に関連していた。物理的環境要因は、環境整備方略と関連していた。
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