Research Abstract |
本研究課題の目的は,高等教育機関の授業実践を対象として,一般的な講義形式の授業(例えば,教育心理学)と作業を伴う演習形式の授業(例えば,情報機器演習)をアンケート調査により比較検討し,満足度や理解度の規定因の特定に向けて,授業評価の基礎的データの収集及び蓄積を行った. その中で情報機器演習の授業実践を行い,その教育効果を測定することを目的として,授業評価アンケートを実施した.授業アンケートの結果から,満足度と理解度に関する示唆に富む知見が得られた,まず,満足度を規定する要因として,授業に対する理解、教材の準備,教師との信頼関係の重要性が明らかになった.また,理解度を規定する要因として,ノート作成,授業に対する満是感,興味・関心の高さ,講義の進度の重要性が明らかになった. さらに,一般的な講義形式の授業実践を対象として教育効果の測定を試みた.学生がわかろうとするためにはわかる授業,即ち理解感を伴う授業を展開しようとすれば,教員は学生の「やる気」を惹き出し,自然と理解できるように配慮することが望まれよう.学生の立場に立てば,学習者は自らこのようなやる気を統制し(自己効力感を高め),自信を持ってテストに臨むことでテスト不安を解消し,満足いくパフォーマンスを得ることができると考えられよう,このような立場にたって,理解度を規定する要因として,自己効力感及びテスト不安を取り上げ,両要因を最も適切に測定することのできる調査尺度の選定を目的として,予備調査の実施,研究成果の発表準備を行った. これらの研究と並行して,学生にとってわかりやすく,満足のいく授業メカニズムとは何かを国際会議の場で議論し,魅力ある授業実践に関する情報を収集するなど,本研究の成果をまとめるための基礎的資料の収集を継続して行ってきた.
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