2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺がん患者の身体活動が心理的適応、QOLに及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
16730350
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 啓 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (70294014)
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Keywords | 肺がん患者 / 心理的適応 / 身体活動量 / セルフエフィカシー / 抑うつ / 不安 |
Research Abstract |
肺がん患者の身体活動と心理的適応、QOLの関係について検討するために研究を行った。本年度は研究の実行可能性を検討することを主な目的とした。研究は、ベースラインにおける抑うつ・不安・セルフエフィカシーなどの心理的状態の測定を行った後、身体活動の指標としてライフコーダーを実際に対象者に装着を依頼した。1週間後、2週間後、4週間後に心理的状態の測定、ライフコーダーの解析とその結果のフィードバックを対象者に行うプロトコルとした。平成16年10月より実際の研究を開始し、近畿圏の呼吸器専門病院に入院中で研究への参加に文書にて同意の得られた肺がん患者4名が研究に参加した。対象者は男性5名、女性1名で、平均年齢は59.2歳であった。このうち2名は身体状況の悪化したため研究への参加を途中で打ち切った。残り3名の研究期間内一日あたりの平均歩数は7350.4歩であった。抑うつ・不安尺度のHADS(それぞれ11点以上であると精神医学的診断域となる)の抑うつは平均7.67点、不安は平均9.00点、セルフエフィカシー尺度(100点満点)は平均68.24点であった。これらの結果から、今回の対象者は入院中の肺がん患者ではあるがかなり活動を行っていた。身体活動量と心理的適応との関連については対象者がまだ少ないため解析を行っていない。 一対象者あたりの調査期間が約1ヶ月と長く、その間に病状が変化し、研究への参加を継続できないケースがあった。よって、当初の予想よりもサンプルサイズが下回った。そこで来年度は、研究デザインをそのままとし、さらに対象者を増やし、多変量解析が適応可能なサンプルサイズを得るようにしていく予定である。
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