2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730367
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
花田 光彦 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (80323385)
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Keywords | 運動視 / 空間周波数特性 / 情報理論 / モデリング / 検出感度 / ノイズ |
Research Abstract |
平均輝度(明るさ)により,視覚運動検出感度の空間周波数特性がどのように変化するかについて検討した.視覚実験装置ViSaGeによって実験を実施できるように実験環境の整備を行った.それと平行し,自然動画像の統計的情報の最適処理という点からノイズや明るさによって運動視特性がどのように変化すべきなのかの予測を行った。特にノイズレベルの推定とそのノイズレベルに応じた処理様式の変化についてのモデリングを行ったこのモデリングは,人間の情報処理の制約や視覚特性を評価するベースとなるものである.実験環境が整備された後,平均輝度の変化による運動検出感度の空間周波数特性についての検討に入った.まず,大きな範囲の明るさレベルの制御や,CRTディスプレイなどの非常に遅いランダムドットの運動を作成など,実験の技術的な問題を解決した.明るさレベルの制御については,大きな輝度の制御をNI)フィルタで行い,細かい輝度制御を刺激提示装置の出力を行うことで,刺激の精度を維持しながら大きな輝度変化が可能なようにした.遅い運動は,アンチエイリアジング手法を使うことで,CRT上に提示可能なようにした.実験では,50,5,0.5cd/m^2の背景に順応し,ランダムドットの運動検出感度を空間周波数の関数として測定した.各背景輝度のドットの検出感度をあらかじめ測定して.ドットの輝度コントラストは閾値コントラストの6倍のコントラストに設定した.まだ少数の被験者に対してのみ測定しているが,得られている結果からは,背景輝度が上がることにより,実行コントラストは揃えたのにも関わらず運動感度が上昇すること,空間周波数によって,その上昇の程度が多少異なることが示された.夜間の運動視特性が日中の特性とは違い,そのことを考慮した視環境構築の必要性が示唆された.
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