2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730367
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
花田 光彦 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (80323385)
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Keywords | 運動視 / 情報理論 / 運動同化 / 運動対比 / ノイズ / 受容野 |
Research Abstract |
コントラスト・ノイズレベル・平均輝度,刺激サイズの違いにより,運動対比・同化の特性がどのように変化するかについて検討した.視覚実験装置ViSaGeを用いて実験を行った.実験の結果,コントラスト低下とノイズレベルの上昇は,同様に刺激を見えづらくするものの,誘導運動に与える影響については異なることが明らかにされた,ノイズ上昇は運動同化傾向を強めるのに対し,コントラスト低下は運動対比傾向を強めた.この結果は,ターゲットが静止していても,カウンターフェーズフリッカーしていても同様に得られた.また,誘導運動に対するノイズ効果は,ダイナミックノイズ,スタティックノイズに関わらず見られた.平均輝度,刺激サイズについては,誘導運動へ影響はほとんどなかった.この結果は,日本視覚学会2007年冬季大会で発表された. さらに,運動検出に関する空間周波数特性の測定を行った.ViSaGeではアンチエイリアジングや,描画速度に問題があり,新たな実験装置Bit++を用いて実験を行った.現在,この実験については今現在進行中であるが,ノイズとコントラスト低下,輝度低下による空間周波数特性への効果に違いがあることがすでに示されつつある. 情報量を最大化するフィルタと実験で得られた運動視特性を比較・検討した結果,情報量最大化のアプローチでは,コントラスト低下とノイズ上昇の効果の違いを完全には説明できないことが明らかにされた.運動処理に関しては,輝度と同様の情報理論の枠組みでは不十分であることを意味している.視覚的運動の特殊性を考慮した情報理論モデルを構築する必要性があることが示された.
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