2004 Fiscal Year Annual Research Report
数μmの微小な凹凸を知覚する触感覚認識機構における触運動の役割の定量的評価
Project/Area Number |
16730369
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川村 拓也 岐阜大学, 工学部, 助手 (50313911)
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Keywords | 心理物理実験 / 触覚 / 弁別閾 / 段差 / 触覚センサ |
Research Abstract |
ヒトは刺激に触れている指を動かす触運動を行って,数μmの微小な凹凸を「つるつる・ざらざら」などの質感として認識している.数μmの微小な刺激を知覚する場合,触運動に伴う指先の変形と皮膚内部の感覚器の位置との関係により触覚の認識能力を高めている可能性が指摘されている.そこで本研究では,触運動の方向により指先の変形の仕方が異なる点に着目して,「人は触運動の方向を選択して触感覚認識能力を高めている」とする仮説を立て,本仮設を検証することを目的とする. 本研究ではまず,触運動の方向依存性や速度効果などについて定量的に測定するため,試料の刺激強度,呈示速度,呈示温度に加えて,呈示方向をそれぞれ制御して,被験者に呈示することが可能な実験装置を開発した.これまでに,試料の刺激強度,呈示速度,呈示温度をそれぞれ制御して呈示することが可能な実験装置を開発しており,呈示方向を制御可能とするために新しく回転機構を追加した.追加した回転テーブルの仕様として,既存の装置では段差を駆動するためにXテーブルとZステージを用いており,これらの荷重に十分に耐えること,また数μmの微小な段差を移動させるXテーブルの駆動中に,振動やガタツキが発生しないことなど,数μmの微小な刺激の呈示に影響を与えない十分な耐荷重性能,耐振動性能などをもつ装置を開発した. つぎに,回転機構を追加した段差呈示装置の性能を評価するため,この段差呈示装置を用いて,呈示方向を制御した触運動における実験を行い,人の表面粗さの弁別能力を表す弁別閾を求めた.これまでに得られた実験結果と本実験結果とを比較・検討して,機能を拡張した段差呈示装置の基本性能を評価し,良好な結果を得た.
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