2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730374
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
甲田 菜穂子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (90368415)
|
Keywords | イヌ / ネコ / 盲導犬 / 動物介在活動 / 繁殖 / 高齢者 / 視覚障害者 / 行動 |
Research Abstract |
高齢者がイヌやネコと関わることは生活の質の向上に役立つとの観点から、動物介在活動の実践2件を行った。イヌとネコを伴った老人ホームでの施設訪問活動において参与観察を行ったところ、人のみで構成される他の治療集団の発達過程と類似した人間関係が見られた。既に安定して継続されているイヌを伴った別の老人ホームでの施設訪問活動において直接観察を行ったところ、入居者が孤立しがちな面もあったが、入居者、ハンドラー(訪問者)、イヌの間に単純ではあるが活発な関わり合いが観察された。 学生と動物看護師のイヌに対する質問紙による快・不快についての意識調査では、回答者は性別、イヌの飼育経験、関わりの質と量により、イヌへの不快感をかなり主観的に表した。このことは、動物を伴う実践活動の内容を決める際に参考になると考えられる。 盲導犬候補の仔イヌ、訓練中のイヌを、それぞれ仔イヌを育てる一般家庭と飼育指導をする協会職員、訓練士によって一貫した評価基準によって盲導犬としてふさわしい行動特性があるか評価ができるチェックリストを開発し、503頭の行動評価を実施した。性別や犬種によって行動特性が異なる場合があり、繁殖犬の選別やオスとメスの繁殖犬の組み合わせ方の方法を改良することによって、候補犬の行動特性の向上が図れる可能性があると言えた。 視覚障害者との同伴が認められている盲導犬の病院内への受け入れについて、質問紙による意識調査を行った。准看護師、看護学生、動物学科生、一般学生の順に受け入れ側に回る程、専門性が高まる程、受け入れ拒否の割合が高くなった。受け入れ拒否理由は、他の患者への配慮と衛生上の懸念が多く、啓発の必要性が明らかになった。
|