2005 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧ラットSHRにおける循環器系活動と情動行動との機能的連関
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16730376
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
佐藤 俊彦 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教授 (20322612)
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Keywords | ラット / SHR / WKY / fear-potentiated startle / 電撃反応閾 / 血管拡張薬 / 高血圧 / 加齢性の変化 |
Research Abstract |
平成17年度には、高血圧ラットSHRの情動的性質を明らかにするための方法として、恐怖による驚愕増強(fear-potentiated startle, FPS)を採用し、SHRと健常血圧ラットWKYの成績を比較した。 FPSでは、驚愕反応の測定に先行して、電撃を用いた古典的条件づけの訓練を行うため、電撃への感受性が実験データに影響を与えかねない。そこで最初に、SHRとWKYの電撃に対する反応閾(運動反応閾と跳躍閾)を調べて、いずれの系統でも跳躍閾を超え、同等の行動的反応が生じる電撃強度(0.7mA)を特定した。 次に、これと別の被験体(SHRとWKY)を用いて、FPSの系統差を調べた。条件づけ訓練に上記の電撃強度を用いた。この訓練から24時間後の計測では、驚愕反応の増強率(%FPS)に系統差を認めた。他方、訓練1週間後には、%FPSに系統差がなかった。 さらに、FPSの性質が血圧水準とどのように関わっているかを明らかにするため、降圧薬を投与したSHRとWKYのFPSを測定する実験を18年度に向け計画している。17年度には、予備実験として、すでに実験を終えた被験体を用いて、血管拡張薬ヒドララジンを投与した際のFPSを調べ、18年4月に完了した。現在、結果を集計している。 17年度には、16年度までの成果発表として、9月の第37回ヨーロッパ脳と行動学会(EBBS, Trinity College Dublin, Ireland)で、通常の驚愕反応の強度がヒドララジンの投与によって減少することを報告した。また、驚愕反応を研究する上での基礎資料として、加齢による影響を調べる実験を16年度に行い、その成果を10月の日本動物心理学会(千葉大学)において報告した。17年度の研究成果には、過去に報告例のない新規の知見も含まれており、18年度中、北米神経科学会(SFN, Atlanta, USA)などで報告する予定であるとともに、論文投稿の準備中である。
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Research Products
(3 results)