2004 Fiscal Year Annual Research Report
食物のおいしさや味嗅覚知覚における言語・視覚情報の影響
Project/Area Number |
16730377
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Research Institution | Kobe Shoin Women's Junior College |
Principal Investigator |
坂井 信之 神戸松蔭女子学院短期大学, 助教授 (90369728)
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Keywords | 食物のおいしさ / 視覚 / 嗅覚 / 味覚 / 食物認知 / 予期 / 相互作用 / 多種感覚 |
Research Abstract |
日常生活において、我々の暮しは様々な情報に満たされており、我々の行動はそれらの情報に左右されることが多い。情報が我々の行動に影響を与えるメカニズムを明らかにするために、食物選択・認知を例にとり、情報の提示がヒトのモノに対する認知にどのような影響を与えるかということを行動科学的に明らかにすることを本研究は目指している。なかでも今年度は、視覚情報がどのようにして味嗅覚知覚と相互作用を見せるのかということを明らかにするために、実際の食物と一致した視覚情報を与えたときの食物認知と実際の食物とは一致しない情報を与えたときの認知とを比較することを目的とした。 研究では、実験参加者に摂取している食物の画像を見ている場合と見ていない場合、また見ている場合でも摂取している食物と別の食物の画像を見ている場合の三条件で、対象食物のおいしさや味嗅覚知覚を測定した。視覚剥奪および刺激画像の提示には、眼鏡式のモニター(ヘッドマウントディスプレイ)を装着させることによって行った。 具体的には、実験参加者に飲料刺激(例えばリンゴジュース)を提示するときに、その飲料刺激をイメージさせる画像(リンゴ)を提示する条件と関係のない画像(ナシ)を提示する条件との間で差がみられるか否かを検証した。その結果、見ている食物と同じものが提示された場合には、味嗅覚知覚の促進とおいしさ評定の増加が見られ、見ている食物と異なる食物が提示された場合には、味嗅覚知覚の抑制とおいしさ評定の減少がみられることが明らかとなった。
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