2005 Fiscal Year Annual Research Report
食物のおいしさや味嗅覚知覚における言語・視覚情報の影響
Project/Area Number |
16730377
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
坂井 信之 神戸松蔭女子学院大学, 助教授 (90369728)
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Keywords | においの快不快感 / 視覚 / 嗅覚 / 注意 / においに対する認知 / 悪臭 / 相互作用 / 多種感覚 |
Research Abstract |
日常生活において、我々の暮しは様々な情報に満たされており、我々の行動はそれらの情報に左右されることが多い。情報が我々の行動に影響を与えるメカニズムを明らかにするために、嗅覚に対する認知を例にとり、情報の提示がヒトのモノに対する認知にどのような影響を与えるかということを行動科学的に明らかにすることを本研究は目指している。なかでも今年度は、視覚情報や言語情報がどのようにして嗅覚知覚と相互作用を見せるのかということを明らかにするために、色あるいは写真とにおいの一致感とにおい知覚の関係あるいはにおいに関する言語教示がにおい知覚に及ぼす効果などを調べる研究を行った。 研究では、におい溶液に色づけすることやにおい提示と同時ににおいを想起させるような写真あるいはにおいに関する教示を与えると、においに対する強度あるいは快不快感の評定は変化することが明らかになった。すなわち、においと一致するイメージを持つ色や写真はにおいの快不快感を増強させること、「このにおいは体に悪い」というにおいに対する教示は、においに対する注意を増強させ、その結果、においに対する強度は増強し、においに対する快不快感は「より不快」と変化することなどが明らかになった。このような変化は、実験参加者の主観的評定だけでなく、においを嗅いでいるときの脳活動にも生じていることがfMRIを用いた非侵襲計測により明らかとなった。
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