2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730380
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 嘉恵 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (20322779)
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Keywords | 台湾 / 先住民族 / 植民地 / 蕃童教育所 / 教育史 |
Research Abstract |
1.台湾総督府が先住民対象の初等教育機関である蕃童教育所を制度化し先住民社会に導入していく過程を明らかにするため、本年度は、総督府の先住民政策に関する史料の調査・収集に重点を置き、並行してその整理・内容分析を進めた。 2.戦前の台湾島内発行の雑誌・新聞に掲載されている先住民政策関連の記事を調査・収集し、目録を作成した(雑誌記事約2800件、新聞記事約5100件)。主な調査誌は、『台湾警察協会雑誌』『台湾警察時報』『台湾教育会雑誌』『台湾時報』『蕃地教育』『東台湾叢書』『台湾医学会雑誌』『警友』『台湾慣習記事』『蕃界』『台湾農事報』『台北州時報』『社会事業の友』『台湾協会会報』『東洋時報』『台湾統計協会雑誌』『台湾日日新報』『台湾民報』等。主な所蔵機関は、国立国会図書館、台湾・国立中央図書館台湾分館、国立台湾大学附属図書館等。 3.持地六三郎や石塚英蔵等の植民地官僚の個人文書・関連資料を調査・収集し、台湾統治政策上における先住民政策の位置づけについて検討した。主な調査機関は、国立国会図書館憲政資料室、東京大学史料編纂所、台湾・国立中央図書館台湾分館等。 4.台湾・宜蘭県史館にて同地の教育所関係資料の調査・収集を行い、教育所台帳および学籍簿を閲覧し、就学者の定着過程についておおよその趨勢を把握した。 5.以上の調査にもとづき諸史料の検討を進めた結果、先住民教育政策を総督府の「治安」、「殖産」、衛生の諸施策の展開過程との関連において捉える必要がより一層明確となった。先住民社会における教育所の「普及」過程は、政策レベルにおいても実態レベルにおいても、これらの植民地政策の展開に規定されていた。
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