2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報の提供者・受容者の相互関係からみた公立学校情報の公平性に関する研究
Project/Area Number |
16730384
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
貞広 斎子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (80361400)
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Keywords | 教育情報 / 学校へのアクセス / 教育における公平性 |
Research Abstract |
本研究は,学校情報の需要と供給の乖離を可能な限り小さくし,情報提供者・受容者間の信頼関係醸成を支援するために,1)公立学校情報提供の内容・表現に関する指針の提案を目的とした調査分析を実施し、更に2)学校情報と学校へのアクセスの公平性に関する理論的検討及び理論構築を行うことを目的としている.実際には、公立学校情報の提供における情報の内容、種類(質的データ/数値データ),表現方法などの違いによる情報受容者側の反応について、調査及び実験を通じた実証的な検討を行うことを基に、研究を進める。検討に際しては、1)情報受容時の短期的な反応,2)情報提供による学校観の長期的変化,という二つの視点を設ける。また、量的表現に馴染まない評価項目が多いという教育活動の特色を鑑み、量的情報に加え,質的に表現された情報への反応についても検討を行う。 本年度は、半年の研究期間において(育児休暇取得のため、9月より職場復帰)、昨年度より継続して、本調査のための予備調査を行った。その結果、特定の情報内容や表現方法に対する過剰反応や極端な無関心、例えば、学校間の些少な差異を非常に大きな差異と理解・反応したり、公開される情報の限られた一部しか注目・活用しないといった研究仮説を強化する情報が得られた。更に,学力などの定量的情報はその受容者の学校観を固定化する傾向があるが,それは一時的なものであり,長期的にはこうした学校観は元に戻る可能性が高いという仮説を詳細に検討することができた。
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