2004 Fiscal Year Annual Research Report
NPOの教育力を活かした地域コミュニティの創造・経営方策に関する実証的研究
Project/Area Number |
16730392
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
櫻井 常矢 高崎経済大学, 地域政策学部, 講師 (40363775)
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Keywords | NPO / 中間支援 / 地域再生 / 人材養成 / 住民自治 / 教育力 |
Research Abstract |
研究計画の初年度にあたる平成16年度は、本研究申請において示したように基礎的資料収集とその分析、ならびに現地調査に重点を置いている。特に後者については、東北・北海道地方や新潟、長野、静岡を中心に先進的な事例調査を精力的に行っている。例えば、新潟県安塚町(現上越市安塚区)では、全世帯25戸でのNPO法人化を図っている同町細野集落を事例として取り上げている(特定非営利活動法人 自然王国ほその村)。ここでは、コミュニティ・ビジネスでの事業収入を住民雇用はもとより地域の福祉、環境、社会教育など、住民の暮らしを支えるための資源循環の仕組みとしてNPO法人制度を活用している実態がある。また、農山村・中山間地域や小規模自治体に典型にみられるこうした動向の背景には、過疎と高齢化という地域課題に加え、自治体の広域化(市町村合併)のなかで当該地域が育んできた文化や自治の営みを解消されまいとする住民、行政双方の意図があることが理解される。16年度の事例調査からは、地域活動の参加へと住民を導くプロセスにおける人材養成等の学習機会ならびに地域コミュニティを支援する新たな中間支援の検討など、本研究を進める上での更なる分析視角を得ている。次年度以降は、特に市町村合併や行財政改革との関連で現れる住民自治とその中に位置するNPOの構造を焦点に研究を進める。 なお、平成16年度の本研究の成果は、日本社会教育学会第51回研究大会自由報告「地域再生・地域自治活性化におけるNPOの学習機能」(東京大学 佐藤一子との共同発表)で発表している。また、本研究がもつ地域再生・活性化への分析枠組みは、総合研究開発機構(NIRA)助成研究「広域地方政府化とコミュニティの再生に関する研究」(研究代表 関西社会経済研究所所長/大阪大学大学院教授 本間正明)の研究分担者として採用されるなどの評価を得ている。
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