2005 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスにおける教養教育とチュートリアル制度に関する研究
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16730400
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Research Institution | Saga Junior College |
Principal Investigator |
中村 勝美 佐賀短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (40310924)
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Keywords | イギリス / オックスフォード大学 / 教養教育 / 19世紀 / 大学改革 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
今年度の本研究はイギリス大学の教養理念について、その理論的枠組みをニューマン、ハクスリ、J.S.ミル、アーノルドらに連なる思想からその系譜と全体像を明らかにする。次に、そうした教養の理念が19世紀のイギリス大学改革において、どのように具体化されたのかを、オックスフォード大学を中心にその教育システムの変容-学生生活に決定的な変化をもたらした学位試験制度、チュートリアル制度、学生課外活動-を試験規約や学生便覧等から明らかにすることを試みた。 今年度は主として、当該テーマに関する、国内外の先行研究ならびに資料の調査を行った。近年、19世紀のヨーロッパ大学史に関する重要な著作が刊行され、イギリスの大学改革を広いコンテクストから再検討することができた。 また、平成18年3月8日にイギリス、オックスフォード大学より『オックスフォード大学史』(19世紀)の編集者であるマーク・カートイス博士を招へいし、広島大学教育学研究科において、「19世紀オックスフォード大学における試験、教養教育、チュートリアル制度」と題する講演を行っていただき、研究会を開催した。講演では、オックスフォード大学の試験制度と国内への影響、フンボルト理念と教養教育の関連、専門教育と教養教育など、本テーマに関する重要な論点が提示された。カートイス博士からは、現在の研究計画に対するコメントをいただき、今後も引き続き指導を受ける予定である。本研究会の成果は、平成18年度に翻訳、解説を加えて、関係雑誌に投稿する予定である。
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