2004 Fiscal Year Annual Research Report
大学生の認識的信念とコミュニケーション行動:文化的価値観からの検証
Project/Area Number |
16730412
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
田崎 勝也 フェリス女学院大学, 文学部・コミュニケーション学科, 助教授 (00350588)
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Keywords | 認識的信念 / 学習観 / 文化的自己観 / コミュニケーション行動 / 心理尺度 / 文化心理学 / 定性的研究 / 定量的研究 |
Research Abstract |
本年度は、3年間の研究期間の初年度として、以下の実績をあげた。 (1)質的データの収集: 大学生の認識的信念を探索的に調査するため、本年度は大学生を対象にフォーカス・グループ調査を行った。現在までに約30名の大学生からデータを収集した。質的データ収集は2005年度以降も継続し、最終的には100名程度の大学生からデータを収集したいと考えている。 (2)逐語録の作成および予備的分析: 現在まで収集したフォーカス・グループによる質的データは学生アルバイトによって適宜入力され、逐語録を作成している。現在までに完成した逐語録を基に予備的分析を実行中である。予備的分析のため暫定的ではあるが、学習の関心を誘発する役割としての教師の位置づけ、目的を重視した学習姿勢などこれまで米国の調査では報告されていないような信念体系を日本人学生に観ることができた。 (3)ワークショップへの参加: 2004年の9月にシカゴで開催された統計学のワークショップに参加した。このワークショップは項目反応理論(IRT)と呼ばれる新しいテスト理論についてのもので、質的調査の後、17年度および18年度に予定している、認識的信念の心理尺度の作成およびコミュニケーション行動との関連性を探る定量的調査でより精度の高い分析を可能にするものである。特に、異なるグループ間での心理尺度の等価性の検証、尺度の信頼性・妥当性の検証を中心により正確な統計分析を行いたい。 (4)シンポジュームへの参加: 2004年6月に拓殖大学で開催された第34回日本コミュニケーション学会全国大会において、"New perspectives on Japan-US communication"を題目としたシンポジュームにパネリストとして参加、比較文化研究における信頼性・妥当性の問題、また、文化のアンパッケイジングとしての認識的信念の役割について発表した。
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