2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本と朝鮮の音楽教育関係史に関する総合的研究-1920年〜1945年を中心に-
Project/Area Number |
16730425
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
藤井 浩基 島根大学, 教育学部, 助教授 (50322219)
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Keywords | 五十嵐悌三郎 / 朝鮮 / 音楽教育 |
Research Abstract |
資料の所在が明らかになったことから、今年度は特に、当初平成17年度に予定していた五十嵐悌三郎に関する調査、研究を前倒しして集中的に行なった。五十嵐悌三郎の出身地である山形県内で資料収集および調査を行ない、五十嵐悌三郎のご子息、五十嵐弘二氏、小林民男氏から直接、五十嵐悌三郎が遺していたメモや写真等同氏所蔵の資料をご提供いただくとともに、山形師範学校教諭時代の著作等を多数得ることができた。 これにあわせて、韓国国立国楽院及び国立韓国芸術総合学校音楽院でも五十嵐悌三郎に関する資料収集を行ない、李王職雅楽部での教育活動、教え子の証言の記録、そして京城師範学校での活動に関する資料を得ることができた。 これらの資料の整理、解題を通して、平成16年10月15日に山口県宇部市の宇部フロンティア大学で開催された平成16年度全国大学音楽教育学会中・四国地区学会・総会研究会において、「朝鮮における五十嵐悌三郎の音楽教育活動」と題して研究発表を行なった。また、平成17年3月発行の『北東アジア文化研究』第21号(鳥取短期大学北東アジア文化総合研究所)に論文「朝鮮における五十嵐悌三郎の音楽教育活動」を投稿し掲載された。 本研究の研究成果を地域に還元する活動としては、戦前より朝鮮の音楽に造詣が深く、作曲、演奏活動を通して、朝鮮の音楽を積極的に紹介してきた高木東六氏の業績ついてまとめ、同氏の出身地であり、かつ研究者の地元でもある鳥取県米子市で米子人生大学「歌とピアノでつづる高木東六の世界」と題したレクチャーコンサート(米子市教育委員会主催)を企画、自ら出演した。これはNHKや地元紙でも広く紹介されるなど話題をよび、高く評価された。
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