2005 Fiscal Year Annual Research Report
論理的文章の推論的読みの学力形成と教師の学力観との関わりに関する実証的研究
Project/Area Number |
16730426
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
間瀬 茂夫 島根大学, 教育学部, 助教授 (90274274)
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Keywords | 論理的文章 / 推論的読み / 国語学力観 / 教師 / 発達 |
Research Abstract |
論理的文章の読みの学習は,大きく分けて二つの方向すなわちa<明示的読み>とb<推論的読み>において行われる。この観点で見ると,学習者の読みの学習においては,b<推論的読み>に困難さがある。国語科の授業では,a<明示的読み>の段階をクリアしながら,bの読みに進む必要がある。そこで,本研究では研究の課題として次の3点を設定した。(1)学力形成の場である授業を行っている教師が,どのような論理的な文章の読みの学力観を持っているかを明らかにする。(2)学習者の<推論的読み>の実態を明らかにする。(3)<推論的読み>を身につける読みの学習プログラムを開発する。研究の成果は以下の通りである。まず,一つ目の課題に対応し,小学校および中学校の国語科教師に対するインタビュー調査を実施し,教師の持つ論理的文章の読みの学力観を明らかにする多くの国語科教師は,aを志向した国語学力観を持っていて,授業で<推論的読み>が学習課題となることが少ないことが明らかになった。次に,二つ目の課題に対応して,小学校高学年と中学生に対する国語学力調査の分析から,どの学年においても<明示的読み>を問う設問では高得点が得られているのに対し,<推論的読み>を問う設問については得点が低くなる傾向が見られた。三つ目の課題に関しては,小学校と中学校の論理的文章教材の分析を通して,<推論的読み>を育成するという方向性に沿った教材を選定するとともに,授業における問いの開発を行ったが,具体的な授業の実施を通して<推論的読み>の学習の実際を明らかにするには至らなかった。
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Research Products
(2 results)