2005 Fiscal Year Annual Research Report
数学的問題解決における数学的意味づけ・現実的意味づけに関する研究
Project/Area Number |
16730428
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
清水 紀宏 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50284451)
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Keywords | 数学教育 / 算数科教育 / 問題解決 / 意味づけ |
Research Abstract |
本研究は,小学校段階の問題解決における,「数学的意味づけ(問題解決の手がかりや根拠を数や図形の世界の事実に求めること)」と「現実的意味づけ(問題解決の手がかりや根拠を(量などの)現実世界の事実に求めること)」を対置させてその役割や指導方法について検討しようというものである。 本年度の研究では小学校6年生37名を対象として「数学的意味づけ」,「現実的意味づけ」の実態調査を実施した。調査では,「分数÷分数」の授業を受けた児童に,「除数が分数の除法では,除数の分母と分子を入れかえた数をかければよいこと」の説明として,「現実的意味づけ」と「数学的意味づけ」を例示し,その理解度を尋ねた。そして,別の数値の除法を提示し「(例示された方法を使って)計算の方法を知らない人に,計算の方法を説明する」という状況を提示し,どの例示の方法を選択するか,また選択した方法を正しく使って説明できるかを調べた。 分析の主要な結果は次の通りである。 ・本調査の被験者は,比例的推論を活用した「現実的意味づけ」よりも,除法の性質を活用した「数学的意味づけ」をわかりやすいと感じている。 ・37名中5名(13.5%)の児童が「数学的意味づけ」を用いて「分母と分子を入れかえた数をかければよいこと」を正しく説明することができた。また37名中27名(73.0%)は「数学的意味づけ」や「現実的意味づけ」を用いて「答え」を筋道立てて導くことができたが,「分母と分子を入れかえた数をかければよいこと」を明示的に説明することができなかった。
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