2005 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害幼児・児童に対する日本手話指導教材の開発とその実践的応用
Project/Area Number |
16730434
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武居 渡 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70322112)
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Keywords | 手話 / ろう学校 / 幼児 / 教材 / ビデオ |
Research Abstract |
本年度は、ろう学校幼稚部に在籍する幼児の手話力向上のための教材の試作を中心に行った。まず、聞こえない子どもに手話を第一言語として獲得させ、その力を使って音声言語の読み書きの力をつけるバイリンガル教育の先進国であるスウェーデンで作られたろう幼児向けの教材を購入し、その構成や内容について吟味し、わが国で使える教材の参考とした。 その上で、手話が第一言語であるろう成人で、手話演劇なども行っているろう者3名に協力をお願いし、日本のろう学校幼稚部で行われている行事や季節のイベント、小さいときの思い出や印象に残っていること、疑問に思っていたことなどを自由に話しあってもらった。ここで出された話題の中から、ろう学校幼稚部の子どもたちが興味を持ちそうなテーマを3つ選び、3人のろう者でどのようなストーリーを作り、どのような手話で表現したらよいかについて検討してもらった。ストーリーが完成した後、それを手話で語ってもらい、デジタルビデオカメラで収録し、ろう学校幼稚部に在籍する子どもたちのための手話教材を試作した。 また、このビデオ教材の実用化に向けて、ろう学校幼稚部のカリキュラムの中でどの時間に使用できるのかについて、複数のろう学校幼稚部教員にインタビューによる調査を行った。インタビュー調査の結果、このような手話ビデオ教材を使った保育は、就学前の5歳児を対象にしたわたりの指導の中で使ったらよいのではないかという意見が多く聞かれた。 次年度は、本年度作成した手話ビデオ教材をろう学校幼稚部で実際に使ってもらい、子どもの反応やろう学校教員の意見を集約し、本格的な手話ビデオ教材作成の基礎的資料として整理したい。
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