2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松田 茂樹 千葉大学, 理学部, 助教授 (90272301)
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Keywords | 数論幾何 / 分岐理論 / p進解析 |
Research Abstract |
正標数の離散付値環の上のp進微分方程式の理論の多変数の場合への拡張,つまり剰余体が完全でない場合への一般化の問題の中で,Christol-Mebkhoutの1変数の場合のフィルトレーションの筆者による多変数化と,Abbes-斎藤によるフィルトレーションとの一致について,2次元の混標数の正則局所環のブローアップに関する議論を除き,解決した。 具体的には,離散付値体の拡大を決める方程式をp進的に標数0に持ち上げたのちテーラー展開を行い,その正標数への還元が元の離散付値環の,Abbes-斎藤の意味でのスムーズ埋め込みであるようなものを構成した。これにより,正標数の還元の方ではAbbes-斎藤のフィルトレーションに対応する剛解析空間を定め,標数0では高次元化されたChristol-Mebkhoutのフィルトレーションと対応する剛解析空間を定めるような形式スキームが構成できる。 この形式スキームに対してBosch-Lutkebohmert-Raynaudによる被約ファイバー定理を適用することで双方の連結成分の一致を示せるが,それがフィルトレーションの一致を意味する。ただし,被約ファイバー定理を適用するには底となるスキームの爆裂変換が必要で,残念ながらこの部分に未解決の部分がある。 一方,上の問題との関連で,Christol-Mebkhoutのオリジナルのフィルトレーショント筆者によるフィルトレーションの関係についての考察も行い,両者の一致について,いくつかの新しい知見を得ることができた。
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