2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 康太 神戸大学, 理学部, 助教授 (40274047)
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Keywords | ベクトル束 / K3曲面 / twisted sheaf / 向井変換 / Donaldson不変量 / Nekrasov分配関数 |
Research Abstract |
この研究により得られた結果は以下の通り。 Donaldson不変量はb_+=1の曲面の場合計量の取り方に依存する。より詳しくは計量の空間が超平面でいくつかの小部屋に区切られ、各小部屋の上ではDonaldson不変量は一定になっている。そこで超平面(これを壁という)を越えた時の挙動を調べることが重要である。L.Goettscheは壁越えの様子を記述する公式をある自然な予想(Kotschick-Morgan)を仮定して導くことに成功した。彼の公式にはモジュラー関数が現われ、多くに人々の興味を引いた。私は有理曲面の場合にNekrasovの分配関数を使ってこの壁越え公式を記述した。Nekrasovの分配関数については以前、中島啓と共同でSeiberg-Witten曲線との関係を明らかにしており、それによりGoettscheの公式を導いた。これはKotschick-Morganの予想を仮定しないもので、これによりGoettscheの公式の証明は厳密となった。またモジュラー関数とSeiberg-Witten曲線の関係もついた。これはL.Goettsche、中島啓との共同研究である。 K3曲面などb_+>1である曲面の場合射影的束は必ずしもベクトル束には持ち上がらない。しかしながらこの場合、張り合わせ関数をすこしねじったtwisted sheafととらえることができる。また東屋代数上の加群と見ることもでき、Brauer群とも関係する。私はtwisted sheafのモジュライを構成し、K3曲面の場合にその性質を調べた。とくにフーリエ・向井変換、周期、変形同値類等を考察した。
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Research Products
(2 results)