2004 Fiscal Year Annual Research Report
特殊元によるp‐進ガロア表現に対する岩澤加群の研究
Project/Area Number |
16740019
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
隅田 浩樹 広島大学, 総合科学部, 助手 (90291476)
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Keywords | イデアル類群 / Vandiver予想 / Greenberg予想 / 円文体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、代数体のガロア群に関する岩澤加群を、特殊元を用いて具体的に調査することである。円分体の場合は、円単数やGauss和を用いて、イデアル類群や不分岐アーベル拡大、あるいはS-分岐アーベル拡大のp-部分を調べることに相当する。この古典的な場合に、いまだに大きな問題として残っている予想に、p-円分体のVandiver予想やGreenberg予想が挙げられる。いずれも実代数体においてイデアル類群は大きくないことを意味しているが、Vandiver予想に関しては期待値の面から必ずしも信頼に足るような計算結果は得られていない。そのため前年度までは、有理数体を実2次体に置き換えて、10,000以下の素数と判別式が200以下の実2次体の範囲で、類似の問題について調査してきた。今年度は、プログラムに大幅な改良を加えることによって、計算機によるより大規模な調査を行った。その結果、100,000以下の素数の範囲まで調査をすることが可能となり、Washingtonによる期待値の予想をさらに裏付ける結果となった。一方、2,000,000以下の素数で有理数体と同様な現象を示す実2次体を得ることもできた。 また、CMを持つ楕円曲線に対するこの種の問題を、古典的な場合と同様の方法で調査できることを確認した。しかしながら、実際の計算のためには計算量の問題を適切に処理するために、よりよいアルゴリズムを得る必要性があり、いくつかの方法を検討した。
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Research Products
(1 results)